むらさきのスカートの女をガチで考察。なぜ「むらさき」なのか。なぜ「黄色」なのか
いや〜面白かった
一旦全く書かなくなったブログを、また久しぶりにログインして書き留めておきたいくらいに
面白かった
普段あまり本を読まないけれど、本屋さんで偶然見つけて偶然開いて、偶然面白そうだったから偶然買って、偶然気が向いたので読んだら、
読む手が止まらなかった。
どこが面白かったのか、を説明する前に、とりあえず物語のあらすじを本当に簡単に説明すると、
主人公の女が「むらさきのスカートの女」について延々と描写しているだけ
これだけである。これだけなのに、なぜか読む手が止まらなかった。
理由を説明していきたい。
考察(以下ネタバレ注意)
この小説は大きく3つに分かれると思う
①主人公の女が、近所で有名な「むらさきのスカートの女」と友達になりたいと考える。ひたすら主人公目線の「むらさきのスカートの女」の描写。
②主人公の女の差し金で、「むらさきのスカートの女」を主人公と同じ職場で働かせる。そこでもひたすら「むらさきのスカートの女」の描写。「むらさきのスカートの女」が、思ったより変人ではないことに気づく
③「むらさきのスカートの女」が職場の「所長」と交際する。「むらさきのスカートの女」が所長に捨てられ、所長を階段から突き落とす。主人公が初めてまともに「むらさきのスカートの女」と話す。
①の場面では、ひたすらに主人公目線から、「むらさきのスカートの女」についての描写がある。どんな人で、いつもはどこにいて、どんなものを食べて、とか。
普段懐疑的な目で本を読む人は、この時点で「ほんの少しだけ」違和感を覚える
「やけに詳しい描写だな」と
この小説の形式は基本的に主人公目線である。つまり、「主人公から見た風景」の描写しかされない。それに気づき、尚且つその「むらさきのスカートの女」の情報量の多さに気づくと、「この主人公の女が実はストーカーで頭がおかしいのでは?」というオチがなんとなく予想される。
また、「むらさきのスカートの女」が、離れ離れになった自分の姉に似ているかも、同級生に似ているかも、と、いろいろ考える。この時点で主人公の思考が、思考のまとまりを意識しないで、ただ垂れ流しているだけな「変な女」感が強まる
そこでまた、主人公は自分のことを、近所で有名な「むらさきのスカートの女」と比べると、全く他人には知られていない、世間にとってとるに足らない存在である「黄色いカーディガンの女」と表現する
はて、なぜ「黄色いカーディガン」なんだろう。
そこで、とりあえず、色相環について考えてみる。色相環では、紫色(正確には青紫だけど)は、黄色の反対側に位置する。
つまり、「補色」である
補色にはいろいろ性質がある。
①片方の色をずっと見ていると、目を逸らしたときに残像としてもう片方の色がなんとなく見える。
②二つの色を混ぜると、理論的には「黒」になるが、現実では「灰色」になる
③二つの色を並べると、もう片方の色がとても目立つ。(むらさきと黄色は、明度の差が最も大きいとして知られている)
本の表紙でも、灰色、黒という2色が使われているのがわかる。なんとなく、この「補色」の関係が暗示されているのではないか、と読んでる最中に思うわけである。
さて、主人公は自分のことを「黄色いカーディガンの女」と呼んでいる。「黄色いカーディガンの女」は、「むらさきのスカートの女」と友達になりたがっている。
そこで、奇妙なのが、本を読むとわかるように、「黄色いカーディガンの女」は意外と辛い境遇にいるのだ。お金がなく、貧困に苦しみ、家族は離散し、バイト先の備品をバザーで売って小銭を稼いでいる。
それなのに「むらさきのスカートの女」のことを、自分のことはさておいて、あたかも自分の方が上だと言わんばかりに妙に心配している。そして彼女ばかりを見ているのだ。
さて、どっちが奇妙なのだろう。
「ずっと片方を見ている」と「もう片方の色が浮かび上がってはこないか?」
つまり、黄色である。
狂気的な「むらさき」を見つめている女。その女からふと目を逸らしたときに、一瞬だけ現れる「補色」
それこそが真の狂気なのではないだろうか。(そしてその狂気は小説の最後の最後に姿を現す。)
対極的な場所にいながらも、実は同じ性質を持っている2つの色。2つの色が1つになろうとするのは、ある種当然と言えば当然と言える。
また、世界からはとるに足らない存在の「黄色」は、世間から存在を認められている「むらさき」に羨望を抱いてしまうのは、なんとなくわかる。
だからこそ「黄色いカーディガン」は、「むらさきのスカート」と友達になろうとしたのだろう。
そして②の場面に移り、ついに「むらさき」との邂逅か!と思いきや、ここでも全く会話をすることは全くない。
そして③の場面。「むらさき」が消え、「黄色」が「むらさき」がいつも行っている場所に行き、一緒の物を食べ、いつの間にか「むらさき」となっているのである。(詳しい描写はぜひ読んでほしい。ドキドキ感と奇妙さと歪さは、きっと病みつきになる。)
本当の狂気とはなんだろうか。
狂っている人間を興味深く眺める自分。もしかして、自分のことを、「普通」と思っていないか?
興味を持ってしまった時点で、それは同類なのではないか?
そして興味を持てば持つほど、その狂気に染められ、いずれはその狂気を上回り、いつしか自分が狂気そのものになっていることに気がつかない。
そして「むらさき」となり、新たな「黄色」が生まれ、狂気は連鎖するのである。(最後の描写では、なんとなくその「連鎖」が表現されている気がする)
同類の「補色」同士で、仲間になるのは悪くないと思う。ただ、その同じ世界の毛布に一緒に蹲って、理想の「黒」ばかり見ていたら、現実の「灰色」は見えないのである。
いくら「黒」の模様が美しかろうとも
初心者注意!高校生以下がイラストを本格的に勉強しない方が良い理由
皆さんこんにちは、中トロです。
今回は少し現実的なお話について考えてみようと思います。
このブログをご覧になっている方々の中にはひょっとしたら、中学生、高校生の方もいらっしゃるのではないのではないでしょうか。
そしてその中にはこう思っている人もいるはずです。
「とにかくイラストが描きたい!」
もちろんその意欲は絶対にイラストを描く上では、特にイラストを上達させる上では必須であるものだと思います。
イラスト関係、漫画関係の道に進む!そして今もそこに向かって努力している方であれば、その気持ちは十分に尊重されるべきです。
しかし、イラストを「趣味」としてやっている方に関しては、一概にそうは言えないのです。特に、今後の未来を背負って立つ若者にとっては大きな問題となりうるのです。
イラストは上達のために時間がかかりすぎる!
皆さんは1日にイラストの練習にどのくらいの時間をかけているでしょうか。1時間、3時間、はたまた6時間、なんて熱心な方もいらっしゃるかもしれません。
ちなみに僕は大体1日3時間から4時間です。
そして、僕の経験からある程度の上達が見込まれるまでには最低600時間ほどの練習量が必要です。それも、何冊もの参考書を買って、いろんな知識を覚えていくいわゆる「勉強」という形での600時間です。
下のイラストは、筆者が最近描いたイラストで、この時点でのイラストの練習量は650時間ほどです。
滅茶滅茶うまい!という訳でもなく、いわゆる「そこそこ」の出来のイラストだと勝手に思っています笑。
しかし、この「そこそこ」にたどりつくまでに600時間ほどもかかることが問題なのです。
学生にとって、600時間は大きな数字です。
一般に、部活のない学生の帰宅時間はおおよそ午後6時くらいなのではないでしょうか。
6時に家につき、いろんな支度をしてもう7時、ご飯を食べ、風呂から出た頃にはもはや8時を回っていることでしょう。そして明日も早いので12時までには寝ていないと翌日に支障が出てしまいます。
それを考えると、8時から夜12時の間が自由に使える時間である、ということになりますね。その時間、なんと4時間。
その間に、学校の課題や、試験に向けての自習も行なったり、はたまた部活の練習時間に当てなければならない人も多いでしょう。
そんな方にとって、600時間、という時間を捻出するのは並大抵のことではありません。
つまり、中学生、高校生の時間というのは、大学生や社会人の時間と比べて貴重である、ということです。
その時間につい自分はイラストを練習してしまった。そしてそこそこの画力以外何も手に入らなかった。
大学生であればいくらでも手に入る練習時間を、貴重な学生時代に消費してしまった。
そんなことになりかねないのです。
高校生には、恋愛、勉強、部活、といった、その場でしか経験できないものがたくさんあります。
そのための時間を、たかだか「趣味」であるイラストに費やしてしまう、なんてもったいないと思いませんか?
やるとしても、あくまでお絵描き程度に、じっくりとは取り組まないことを強くお勧めします。
まとめ
今回のまとめです。
- 学生にとってイラストは時間がかかりすぎる!
- 大学生になってからイラストなんていくらでも練習できる!
- 学生時代を大切に!
塗り方は意外と多い? イラストの塗りの種類 その2(水彩塗り、ギャルゲ塗り、???塗り)
皆さんこんにちは、中トロです。
前回の記事では基本的な塗りの三種類である、アニメ塗り、ブラシ塗り、厚塗りを紹介しました。
今回はその続きのパート2です。
復習しておきますと、イラストの基本的な塗り方は下の六種類あるんでしたね。
- アニメ塗り
- ブラシ塗り
- 水彩塗り
- 厚塗り
- ギャルゲ塗り
- ???塗り
そして今回は「水彩塗り」「ギャルゲ塗り」「???塗り」に焦点を当てていきましょう。
塗りその4: 水彩塗り
これはあまりネットで見かけることは多くない塗り方ではないでしょうか。
水彩塗りの特徴として「ぼかし」「滲み」「混色」を多用することがあります。また、デジタル版の水彩画と表されることが多いです。
筆の質感をほんの少し残しながらも、綺麗で淡い色合いを用いることが多く、可愛らしい絵柄に仕上がるのも特徴です。
水彩塗りを用いる有名なイラストレーターとして、
ぼかせるから簡単?いいえ、めっちゃ難しいです!
「ぼかしとかがありなら案外いけそう……?」
そう思う方も多いと思います。しかし実はこの水彩塗り、かなりの難易度なんです。
色とぼかしを多用する!
水彩塗りの特徴であるこの「色」と「ぼかし」を多用することが、難易度を遥かにあげているんです!
「色」が多いということは、その分高度な色彩感覚を必要とします。影の色一つとってみても、周りの雰囲気に合わせられるかどうか、また彩度(色の鮮やかさ)がいきすぎてないか、といった確認を頻繁に行わなければなりません!
初心者にはそんな色の知識なんて皆無です!僕も何もわかりません。
(ちなみに、このサイトでは影の色についてわかりやすく解説してあるので、見てみることをお勧めします
)
そして「ぼかし」を多用するということは「絵のメリハリ」をつける技術が高くなければなりません。
どこをどのくらいぼかすのか、ここはほとんどぼかさないけど、その隣はぼかそう、などといった、絵の全体を見ながらぼかしていくといった、高度な能力が必要なんです。
初心者が水彩ぬりに手を出すと、まず間違いなく「ごちゃごちゃして訳がわからない」イラストになるのではないでしょうか。
ですから水彩塗りはかなりハードルの高い塗り方だと思っています。
塗りその5:ギャルゲ塗り
ギャルゲ塗りは、アニメ塗りの延長である「ブラシ塗り」と似た塗り方をします。しかし、ブラシ塗りが若干三次元寄りであるのに対し、ギャルゲ塗りは二次元寄りの塗り方になります。
厚塗りを3次元とするなら、ブラシ塗りは2.5次元、ギャルゲ塗りは2.3次元、アニメ塗りは2次元、といったところでしょうか。
綺麗なグラデーションを中心とした塗り方で、女の子を可愛く仕上げることのできる塗り方です。ツイッターなどでよく見られる塗り方ではないでしょうか。
有名なイラストレーターとして、乃樹坂くしおさん、鈴城敦さんがいらっしゃいます。
ブラシ塗りとほとんど同じなのでお勧め!
塗り方自体はブラシ塗りとほぼ変わらないため、初心者にはお勧めの塗り方だと思っています。若干二次元寄りのテイストのイラストにしたい方に使っていただきたい塗り方ですね。
塗りその6:???塗り
これは上のどの塗り方にも分類できなかった塗り方です。単に、僕にその塗り方を見分けられる能力がなかっただけですね(笑笑)
誰か分かる方は教えてくださると非常に助かります。
この???塗りで有名なイラストレーターは、Hplayさんなどがいらっしゃいます。
独自のタッチで、一見水彩塗りのように見えるもの、ぼかさない場所は全くぼかさないなどといった手法が用いられていますね。それによって立体感が滅茶滅茶上手に表されているのも魅力です。
海外のイラストレーターさんの多くは、こうした独自の手法を用いてイラストを描く方が多くいらっしゃいます。特に韓国や台湾の方に多いイメージですね。
pixivなどで探してみると、案外楽しかったりします。ぜひ暇な時間に。
まとめ!
今回は基本的な塗り方である、「水彩塗り」「ギャルゲ塗り」「???塗り」に焦点を当てました。
水彩塗りは激ムズ!ギャルゲ塗りはそこそこ!
といった感じです。
今まで紹介した中の塗り方から、自分の好きな塗り方が見つかるかもしれません!
ぜひ今一度自分の塗り方を確認してみてはいかがでしょうか。
塗り方は意外と多い? イラストの塗りの種類 その1 (アニメ塗り ブラシ塗り 厚塗り)
皆さんこんにちは、中トロです。
突然ですが皆さん、こんな経験はないでしょうか。
「なんだか絵の統一性がない……」
ある場所は異常にぼかしてあったり、またある場所はくっきりとしすぎている。そんな風に、「塗り」に統一性がない、こういうことはイラスト初心者にとって多く経験のあることではないでしょうか。
僕も自分の塗りが一体どのような種類なのか、ということを意識せずに描きまくっていた時期がありましたが、それではその「塗り」のテクニックや技術の練習に焦点を当てづらいため、なかなか上達しなかったです。
なので今回、まずは自分が今どんな種類の「塗り」をしているのかを確認するべく、基本的な塗り方について大まかに説明していきます。
イラストの塗り方は主に下の6種類あります
- アニメ塗り
- ブラシ塗り
- 水彩塗り
- 厚塗り
- ギャルゲ塗り
- ???塗り
そして今回は「アニメ塗り」「ブラシ塗り」「厚塗り」に焦点を当てていこうと思います。
塗りその1:アニメ塗り
これはよくアニメで見かける塗りですね。影をデフォルメして、その境をくっきりと残すのが特徴です。
比較的コストが少なく、可愛い絵柄が描けるため多くの人が使っている塗りでもあります。
この塗りを利用する有名なイラストレーターとして、umeさん、月森フユカさんなどがいらっしゃいます。
アニメ塗りは初心はには難易度が高い?しかし練習にはもってこい!
基本的にアニメ塗りは影を「デフォルメ」して表すため、その影をデフォルメする前の形をある程度把握していなければなりません。
また、いい加減な場所に影をつけてしまうとすぐに「違和感」として現れるため、初心者には難易度が高いのではないかと思っています。僕もアニメ塗りに何度か挑戦していますが、結局やめてしまいました笑笑。
しかし、「立体を把握する能力」を向上させる良い練習になりますので、そういったことを目的にして練習する方は良い塗り方かもしれません。
塗りその2:ブラシ塗り
この塗りはよくイラスト投稿サイト「pixiv」によく見られる塗りです。というか、ほとんどのイラストがこの塗り方に該当するのではないでしょうか。
ブラシ塗りは、アニメ塗りに「ぼかし」「グラデーション」などを加えたもので、髪の毛などの繊細な表現をする際にブラシの特徴が生かされています。ちなみに僕はよくこの「ブラシ塗り」を使用しています。
他のサイトなどでは、「アニメ塗りの延長」として紹介されていることもありますね。
有名なイラストレーターとして、秋月からすさん、玄米さんなどがいらっしゃいます。
ぼかせるからアニメ塗りよりは簡単?
アニメ塗りとは異なって、ブラシ塗りは「ぼかし」を用いる機会が多いので、セオリー通りに塗れば、光源などを意識しなくてもそれなりに立体感が生まれ、また違和感も少なくなります。
(しかしぼかしすぎると何が何だかわからなくなるのも特徴)
ですから、ある程度立体感を掴めるようになるまでには、この塗りがオススメなのではないかと思っています。
塗りその3:厚塗り
これは海外のイラストなどでよく見られます。体の部位をデフォルメせず、正確に描写していく際によく用いられる塗り方ではないでしょうか。
線画はあまり重視せず、まずはシルエットで色を配置していき、その上にどんどん新しい色を塗ってパーツを整えていく塗り方です。
また、厚塗りの中では、シルエットを作る段階では全てグレースケールで描画し、あとで「オーバーレイレイヤー(上から明るい色をつけるためのレイヤー)」で色をつける「グリザイユ画法」というものもあります。
有名なイラストレーターとして、wlop(厚塗り)さん、マエコさん(グリザイユ画法)がいらっしゃいます。
また、マエコさんはイラスト上達のためのブログを書いていらっしゃいます。とても参考になるのでぜひ見てみてください。
この人、滅茶滅茶うまいです。僕では一生手に届きそうにないレベルです。
厚塗りは難易度が滅茶滅茶高い!
厚塗りの特徴として、「物体の面の光源からの角度」を正確に把握して描かなければ、リアリティの少ないイラストとなってしまいます。
ですから、かなりの空間把握能力を必要とし、イラスト初心者にとってはかなり難しい塗りだと思います。
しかし、海外風のイラストを描きたい!という方は、早いうちからこの塗り方に慣れていく方が良いかもしれません。
まとめ!
今回は以下の3つの塗り方について説明しました
- アニメ塗り
- ブラシ塗り
- 厚塗り
個人的に感じるこれらの塗りの難易度としては
厚塗りは激ムズ!アニメ塗りもかなり難しい!ブラシ塗りはそこそこ!
といった感じです。
何れにせよ、自分の塗り方を把握してイラストを描くのが大切だと思います!
自分がどの「塗り」を用いているのか、もう一度確認してみるのもいいかもしれません!
イラスト初心者の練習量について 練習時間よりも継続が大事だという話
皆さんこんにちは、中トロです。今回は初心者の練習量についてのお話をしようと思います。
まず最初に結論を申し上げますと、初心者は
練習時間よりも継続が大事
です。
その根拠を簡単に説明していこうと思います。
根拠その1 そもそも毎日そんなに練習する時間がない!
これは多くの人が直面するであろう深刻な問題です。中学生、高校生はまず学校へ行き、家に帰っても塾や自習に時間を取られ、ほとんどイラストなんて描く時間はありません。社会人の方はもっと深刻でしょう。家に帰ってくるのはクタクタになった夜遅く、そこから頭を働かせて長時間イラストなんて描けるはずもありません。
できるとすれば本当に暇な大学生くらいなものです。僕も現在その暇な大学生ではありますが、それでも結構キツかったというのが本音です。特にテスト期間やレポート課題のかさんだ日などはまともにイラストを描こうとなんて思いませんでした。イラストに時間をかけているとそちらに時間が回りませんからね。
ですから実現不可能な「時間」よりも「継続」に重きを置くのが当然の流れになるのではないでしょうか。
根拠その2 辞めてしまっては全て水の泡
まず毎日3時間も4時間も練習するなんてそれこそほとんどの人ができないことです。むしろ無理やり練習量を増やしてしまったせいで、イラストがイヤになって辞めてしまう人も出てきてしまうと思います。僕も何度やめようと思ったか見当もつきません。
そうなってしまっては今までの練習が全て水の泡になってしまいます。何時間何十時間何百時間と掛けたイラストの練習量が、本当の意味で無くなってしまうのです。
まずはそれを防ぐことが何よりも重要です。
「じゃあどうすればいいの?」
僕もかつて同じ問題に直面しました。そして今も問題真っ只中ですが、いい解決策があります。それは
練習は1日30分を最低ラインにすることです。
ここでは「30」「最低ライン」という言葉が重要です。
なぜ30分なのか。それは
「その日のコンディションがわかり始めるのが30分」
だからです。
皆さんよくこんな経験をしたことないでしょうか。
「始めるのは面倒だったけどやり始めると意外と長時間できた」
これは、一旦集中して物事を始めるとある程度の集中力が持続するという現象のためです。どこで読んだのかは忘れましたが、ある本で「人間の集中力は40分を境に低下する」と書いてありました。
集中力は40分で最大になるということですね。
ということは、「集中力が上がっている最中の30分」に注目し、その時の状態が「眠い」「本当にやる気が出ない」という状態であればその日のコンディションは悪いと言えるのではないでしょうか。
状態が悪いならすぐに辞めてしまいましょう。もうすでにあなたは30分も練習しているんですから。
次に、なぜ「最低ライン」を作るのかの話です。
これは、「イラストを描くハードル」を自分の意識の中で下げるためです。
イラストを始めた当初は、案外イラストにエネルギーが必要だと思いがちです。いちいち机に座り、ペンを持ち、紙を用意し、資料を探し、絵を描く。この作業がどうしても億劫に思ってしまうんです。
それを強制的に行わせるルールを設けることで、徐々にイラストへの抵抗感をなくしていくのが目的です。
最終的には「練習しない日がないと不安になる」と思い始めるのが理想です。
僕も実際にこのルールを設けましたが、1ヶ月もすれば、練習しなさそうな日があると
「あれ、今日練習してなくね?なんか一気に下手くそになりそうで怖いな……」
と思い、自発的に机に向かうようになりました。
こうなってしまえば、もう後は楽です。
ですから、なんとか机に向かうことを意識するといいですね。
今回の話をまとめると、下のようになります
- 練習は1日30分を最低ラインに!
- 練習を辞めてしまっては全てが水の泡!
- イラストへの抵抗感をなくす!
これらを意識するとイラスト上達へ必ず近づきます!
イラスト初心者の練習の4つの段階 つまらない練習中に何を思うのか
こんにちは。今回は僕も経験したイラストの初心者が経験する4つの段階とその最中の考えを大きくまとめてみようと思います
- イラストの練習には四つの段階がある!
大きくまとめると下のようになります
1:模写期(最初の1ヶ月〜2ヶ月。ひたすら脳死で模写をする)重要
2:自由に描く時期(何も見ないで描こうとします)
3:絶望期(これについては後に説明します)
4:資料活用期(資料をしっかりと見ていろんなものを参考にしながら絵を描く)重要
これらの時期について一つづつ見ていこうと思います
その1 模写期(重要)
この時期はほとんどの人が経験したと言っても良いでしょう。ただひたすらに資料を引っ張ってきて、それを無心で模写します。
多くの人はもしかしたらこの時期は楽しく感じていたかもしれません。模写の能力が高ければ、とても立派な絵になりますからね。ちなみに僕はもうこの段階からつまづきました(笑)
しかしやっているうちにそこそこ上達し、自分の成長がイラストにしては感じやすい時期だと思います。
しかしなぜこの模写の時期が重要なのか、それを説明するのは後にします。
その2 自由に描く時期
文字通り、自由に自分の好きなものをひたすらに描く時期です。模写が終わった後なので自分の描きたいものを描きたくなるのが当然ですよね。僕も当然そうしました。
しかしそれが罠だったりするわけで……
その3 絶望期
『自由に描く時期』を経験した人の多くが悩んでしまうであろう絶望期です。本当に絶望します。
大きな理由は、描くイラストが模写ではなくなることです。
模写期を経験した人にとって、自由に描く時期に描くイラストの完成度はかなり悪くなると思われます。なぜなら、資料も活用せず、ひたすら自分の想像だけで(いわゆる手グセというやつです)イラストを描くので、もちろんデッサンは狂い、想像以上にひどいものとなるからです。
僕はこの時期に非常に悩まされました。
「何度描いても下手くそだ……」
紙を横にしても上下逆にしても悲しいほどの完成度の作品を見て何度心臓が破裂しそうになったかわかりません。せっかく模写で上達したと思ったのに、自分が全く成長していないかのような錯覚が脳を駆け巡り、思わずイラストをやめてしまいたくなる時期です。僕はベッドに潜り込み、涙を流しました。
悲しみに暮れながら僕はこんなことを考えます。
「そもそもなぜ自由にイラストを描こうと思ったんだろう……」
ここが転換期でした。
なぜ僕がイラストを自由に描きたかったのか。
それは
絵が上手い=自由に絵が描ける
と考えていたからです。
当時の僕にとって目指すべき場所としてイメージしていたのは、自由に絵がスラスラと描けるプロの漫画家の姿でした。
イメージの中では何の迷いもなく人体の絵が描け、まるで魔法のように絵が完成していきます。
このイメージが、上達の邪魔だったのです。
ただでさえ僕は初心者でした。それも大学入学まで全く絵も描いたこともないズブの素人です。何も見ないで描くなんて、到底無理に決まっているのです。
初心者が自由に描けないなんて、当たり前のこと
そこに僕は気がつきました。そして僕は次の段階へ移動します。
その4 資料活用期
文字通り、イラストを描く際にきっちり参考書や資料を用意するようになる時期です。
体を描く際も資料を見て、目を描くときもお気に入りのキャラの目を参考にして、とほとんどのパーツを自分の想像なしで描くようにしました。
すると、模写ほどではないけれど、線画はそれなりに上手に見えるイラストが描けるようになりました。(線画と強調したのはその次の「塗り」の段階につまづくからです。それについての話はまた他の記事で)
そしてここでやっと模写期の苦労が徐々に報われ始めるのです。
模写をやっていたおかげで、「何かを参考にしながら描く力」がそれなりについていたのです。
そしてそこからかなり多くのことが学べることに気がつきます。
「意外と胸郭って、大きいんだな……」
「肩から胸のラインはこう描くのか……」
「プロの絵ってめっちゃ書き込みがしてあるんだなあ」
ここで、自分の思い込んでいたもの、構造、書き方が、プロ達のイラストによって修正されていくのです。
この時期で実力がグングンと伸び始めます。模写をある程度やっていたおかげで真似をする能力はそれなりについていますから、比較的スムーズにイラストが描けるようになります。
そして今も僕はこの時期に属しています。
おそらく、僕はこの段階を一生抜け出せないでしょう。いざやってみるとわかりますが、本当の意味で「自由」にイラストを描くというのは滅茶滅茶ハードルの高いことなのです。
しかしこう思う人もいるでしょう。
「それって、ただの人のパクリじゃん」
確かにそう言えるかもしれません。しかしこう考えて欲しいのです。僕たち初心者の目指す目標はあくまでも「上手なイラストを描く」というものです。
そのために、他人の知恵を借りるのは当然ではないでしょうか。
数学の勉強には先駆者の残した公式を覚えます。理科も社会も英語も、古き時代の人々の知恵を覚えているにすぎません。
自由に漫画を描けるようになりたい!という人はそのための練習が必要だと思います。何も見ないで描く能力がある程度必要ですから。
しかし「イラスト」というジャンルにおいては、その能力の優先順位は低いです。
まずは上手な絵を描けるようになる。そこからです。
今回のまとめ
- 初心者の練習段階には主に4つある!
- 「絶望期」で辞めてしまわない!その先に必ず上達が待ってます!
- 資料をしっかりと活用する!
この三つを意識すると、イラストに対するモチベーションや考えが変わり、少しでも上達の近道になるのではないでしょうか。
(ちなみに僕の経験した時期の長さはこんな感じです
4月〜5月 模写期
6月 自由に描く時期、絶望期
7月〜現在 資料活用期
ちなみに上の画像は僕が6月に描いたものです。これでは絶望するのも当然ですよね。)
イラストを描き始めたきっかけと、約半年でどれくらい上達したのか
※以下の二枚のイラストは、同一人物が描いたものです。
左側の絵は筆者が2019年10月24日に描いたイラストで、右側の絵は同年6月8日に描いたもの(左のイラストはポケモンに出てくるカミツレというキャラです)
その間の期間はおよそ5ヶ月
どちらのイラストも当時の筆者が全力で描いたものです
- 自己紹介とその他諸々
皆さん初めまして。中トロと申します。
僕は現在、とある大学の情報学部に所属している19歳の大学一年生です。
多い課題にヒイヒイ追われながらもなんとか日々を過ごしています。
さて、僕がなぜこのブログを書こうと思ったのか。それはより多くの人に「イラスト」というものの楽しさを伝えたり、また長年練習しているけれども全然上達しなくて困っている、という人に向けて少しでも役に立つ情報をお届けできたらなと思ったからです。
今後は僕が何度も試行錯誤したり、ネットで調べた役に立ちそうなイラストの技術を自分なりに解釈したものについての記事を描いていこうと思っています。ですが、今回は初の記事ということで僕がイラストを描き始めたきっかけについてお話ししたいと思います。
可愛い女の子が描きたい
それが僕のイラストを描き始めたきっかけでした。
近年、たくさんの漫画やイラストがネット上に挙げられている中、僕はある悩みを抱えていました。
「好みのイラストが少ない……」
莫大なネットの砂漠をさまよう中、自分の好みに合うようなイラストを探すのは至難の技でした。
「そうだ!なら自分で描こう!」
こうして、僕は軽い気持ちでイラストを描き始めたのです。すぐに自分のヘタクソさに打ちのめされるとも知らずに。
うわ、何だこれ
初めてイラストを描いたのは4月の1日でした。それはとあるキャラクターの模写でしたが、あまりにひどくて僕は若干笑いながらその紙を破り捨てたのを今でも覚えています。当然そのイラストは残っていません笑笑(上の右イラストが6月のものですから、4月に描いたこのイラストが相当にひどかったのは想像に難くないでしょう笑)
そして「絵を描く」ことの難しさを初めて体感した日でもありました。
「気軽に見ていたイラストがこんなに難しいものだったなんて……」
そう心で嘆いて僕はその日すぐに不貞腐れ、ベッドの中へと直行し、現実逃避にゲームをやっていました。
このような最悪のスタートを切った後、、僕のイラストとの格闘の日々は幕を開けたのです。
これからは、全くの初心者だった僕がどのようなことを考えながらイラストを練習し、その過程で身につけた技術や考えをみなさんに少しでも多くお伝えしていこうと思っています。
よろしくお願いします。